ファッションショーにはどうしたら入れるの

2020年春夏シーズンが開幕‼︎これから1カ月とちょっと、コレクション一色に染まります。だからこそみなさんには、シーズンの序盤で「コレクションって、一体全体なんなのか?」を知っていただき、“ファッション界のお祭り月間”を楽しんでほしい!そう思い開幕直前、インスタグラムでショーにまつわる疑問を大募集しました。ファッションウイークのトップバッターを務めるニューヨークから、現地の写真を交えながら、アナタの疑問にお答えしたいと思います。

さて初回は、皆さんが一番知りたがっていること。一番たくさん寄せられた質問「どうしたらファッションショーを見に行けますか?」にお答えしようと思います。

ファッションショーを見るには、どうしたら良いのか?それは、単純明快。「ブランドにとって意味、そして価値のある人」になることです。ものすごい大金を費やし、なのにゲストを入場無料でご招待するのが、ファッションショー。ゆえにブランドは当然、“対価”であり、“見返り”を期待しています。

では、一般的にブランドは、どんな人を招き、その人たちにどんな“対価”を期待しているのか?ゲストの種類別に紹介してみましょう。

まず最も人数の多いゲストは、何かしらのメディアに属していたり関わっていたりする編集者や記者、スタイリスト、ライター、カメラマン、それにインフルエンサーでしょう。かく言う僕も、このグループに属する編集・記者です。

メディアに属している編集者や、自身がメディアであるインフルエンサーが招かれるのは、ブランドが彼ら・彼女たちに「ファッションショーを伝えて欲しい」と願っているからです。編集・記者であれば、カメラマンが撮影した写真を使いながらショーの模様をレポート。スタイリストならその半年先、招待いただき拝見したコレクションの中から洋服を選んでシューティング。インフルエンサーならインスタグラムで即時発信。セレブリティーなら、最新コレクションに身を包んだ一挙手一投足が、メディアによって世界に伝わります。私たちは“露出”する術を有しているため、ファッションショーにご招待いただけるのです。

誰を前方に、誰を後方にご案内するかは、ごくごく一般的にはメディアの影響力、ゲストの肩書きなどが関係します。

メディアに次いで多い来場者は、いわゆるバイヤー。ショーに出てくる洋服を買い付け、店頭で販売する人たちでしょう。ブランドが彼らに期待する“対価”は、これまた単純明快「ランウエイの商品を買ってくれること」です。

多くのブランドはショーの前後で展示会を開催し、バイヤーのオーダーを受け付け、半年後に商品を納品します。バイヤーをショーに招くのは、実際、買ってもらう商品をどんな思いで作っているのか?モデルが着用して歩くとどう見えるのか?そんなことを知って欲しいからです。

誰をフロントローに、誰をそれより後ろにご案内するかは、実際の取引額、出席する人の役職や肩書きなどが影響します。

3番目の集団は、顧客です。ブランドにとって、一番大事な方々ですね。でも世界的なブランドは、顧客を各国に何人も抱えているのが当たり前。ゆえに一般的には数百人規模のファッションショーに招かれる顧客は、世界の中でも指折りのV.I.P.中のV.I.P.です。例えばラグジュアリーブランドなら、彼ら・彼女たちは年間に数千万円も洋服やバッグを買うような人たち(スゴい!)。ブランド側はそんな方々に、海外までの飛行機はもちろん(ビジネスクラス以上)、 現地のホテル、そこから会場までのハイヤーなどを用意することも珍しくありません。

ニューヨークのブランドで上顧客を数多く招いているのは、「アナ スイ(ANNA SUI)」でしょうか?全身「アナ スイ」の女性たちは会場でとても目立っています。こんな場所に呼んでもらえたら、ファンとしては感無量ですよね。

ランウエイショーを開催するには、いろんな人の力が必要です。外部PR、イベント会社、演出家、ヘア&メイクアップアーティスト、選曲家、舞台演出のプロフェッショナル、ショー自体で外部のアーティストなどとコラボレーションする場合はその関係者……。そんな人たちは準備を終えるとゲストとして、席に座っていることはよくあるケースです。

と言うのが、ランウエイショーに招かれるゲストの大多数でしょうか?もちろん、専門学校生とかが勉強のためにショーを見ていることもあるし、顧客ではないファッショニスタが気合いで会場に潜入成功‼︎なんてケースも時々あります。でも、それは比較的珍しい話です。

となると、特に海外のショーに招かれるには、「ブランドにとって意味・価値のある人」にならなければなりません。さぁ、「私もファッションショーに行ってみたい!」と思っているアナタ!アナタは、どうやって「ブランドにとって意味・価値のある人」になりますか?それを考え、目指し、動きだしてみてはいかがでしょうか?

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